不妊相談Q&A

質問経口の排卵誘発剤により、卵胞は成長しましたが、高温期になっても卵巣にとどまり卵巣が5センチ程に腫れてしまいました。とどまっている卵胞はどうなるのでしょうか?卵巣の腫れは誘発剤の影響でしょうか?次回は薬を増やすと聞き不安です。宜しくお願いします。

 左の卵巣に4センチの黄体嚢胞がみつかりました。黄体嚢胞は7/4現在もこのままの大きさで消えません。その部分があるせいで、無排卵になっていて、不正出血がおきると診断されました。現在ルトラールを服用し、生理をこさせています。このまま、消失しない場合、妊娠できないのでしょうか?

答え卵巣には卵胞という構造があり、この中に卵が含まれています。月経期には数mmであった卵胞は排卵まで約2週間かけて徐々に大きくなり、排卵直前には約2cmに達します。この時点で排卵の刺激(脳下垂体からのLHというホルモンもしくはこのホルモンと同等作用をもつ注射など)が加わると、卵胞が破れて卵がとびだし、卵管に入ると考えられています。排卵誘発剤の使用などにより、卵胞の大きさと、そこから産生される女性ホルモンに解離がみられることがあり、この場合には2cmを超えても排卵の刺激が起きず、卵胞が大きくなることがあります。また、通常通り排卵がおこっても、排卵後にのう胞化して卵巣がはれることがあります(黄体のう胞)。
前者の質問では、基礎体温が高温期になっているとのことなので、一般的には排卵後の黄体のう胞と考えられます。ただし、特殊な場合として、黄体化未破裂卵胞(LUF)とよばれるものがあります。この場合、基礎体温は高温期になりますが、卵はとびださず卵胞の中のままです。LUFは子宮内膜症や骨盤腹膜炎治療後の卵巣周囲の癒着などにより生じます。以上の鑑別は、超音波所見、基礎体温、ホルモン値測定などによって行います。
黄体のう胞は、通常は次回月経までに縮小することがほとんどですが、まれに月経がはじまっても残ることがあります。また妊娠が成立した場合は、妊娠性のホルモンの影響で、なかなか小さくならないこともしばしばあります。黄体はプロゲステロンというホルモンを分泌しますが、黄体のう胞が存続し、このホルモンの分泌が続くと、次の周期の卵胞の発育が抑制されることがあります。ホルモン剤を使用したりして、しばらく様子をみれば縮小することがほとんどです。
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