不妊相談Q&A

質問昔から生理不順だったのですが、去年くらいから生理の量が減り、気が付くと1年近くも生理が来ないこともありました。診察の結果、多嚢胞性卵巣症候群と言われました。クロミッドという薬を服用しています。副作用だと思いますが、毎日、頭痛が酷いです。そのせいか、イライラもします。
主人にあたってしまう自分が嫌で悲しくなります・・・。
多嚢胞性卵胞症候群でも 妊娠は可能なのでしょうか?

答え多嚢胞性卵巣症候群 (polycystic ovary syndrome : PCOS)とは、「両測卵巣が腫大・肥厚・多嚢胞化し、月経異常や不妊に多毛・男性化・肥満などを伴う症候群」(産科婦人科用語解説集より)と定義されています。
異常のきっかけとなる原因はまだはっきりしていませんが、視床下部・下垂体・卵巣における内分泌変化が起こることで、さまざまな機能障害をもたらします。
欧米に比べて日本人では、多毛や肥満といった男性化徴候の頻度は比較的少なく、排卵障害や、それに伴う月経異常の頻度が高いとされています。
PCOSの方に対しても排卵障害を認める場合は、排卵誘発剤(内服薬や注射薬など色々な種類があります)を用いた排卵誘発を行うことが一般的です。しかし、PCOSの方は、通常の場合に比べて、排卵誘発剤に対して過剰に反応する場合が多いことが知られており、過剰に排卵し、その結果として卵巣過剰刺激症候群や多胎妊娠などのリスクが上昇するとされています。
クロミッド(クエン酸クロミフェン)は内服の排卵誘発剤ですが、副作用としては先ほど述べた過排卵以外にも頭痛やほてり、のぼせなどの症状が現れることもあります。対症療法などで改善しない場合は、薬剤の種類や投与量などを変更することもありますので、必ず主治医に伝えるようにして下さい。
多くの医療情報の中から、自分に必要な正しい情報を正確に理解することは非常に難しいことです。担当医師に尋ねることももちろん大切ですし、看護師や不妊コーディネーター、カウンセラーなどのスタッフも情報提供を行いますので、声をかけてみて下さい。
また、妊娠を望まれての通院は、さまざまなストレスを伴う事も多く、努力が実を結ぶことが必ずしも保証されている訳ではありません。いらいらしたり、ご主人にあたってしまうことがあるのも無理はありません。本相談センターでも電話や面接相談を行っています。時には後ろ向きな気持ちも含めて吐き出す場所を作ってあげて下さい。
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