女性医師・男性医師のどちらがよいと思われますか? |
不妊症はカップルの病気です。通常受診するのは女性でも、セックスのタイミングや精液所見についての情報は、多くの場合間接的に直接医師の診察を受けない男性パートナーに伝えられます。ある1例ですが、再三にわたり女性医師からセックスを突然今晩するように半ば命令されて、それを奥様から電話で仕事中に伝え聞いたご主人はストレスを受けてしまい、満足にセックスができなくなりご主人から苦情が寄せられたケースもあったようです。何よりも女性医師個人の資質に問題があった特殊なケースですが、女性医師から言われたということが、より悪い結果を生んだともいえます。不妊症であることに、最近の男性は想像以上にデリケートなのです。多くの場合、奥様を気遣ってご主人は優等生であろうとし、そのことがかえって奥様の無理解とご主人のストレスを助長するとも言われています。このことひとつをとっても、女性医師が良いかのような表現のみられる一部の不妊治療情報雑誌やホームページは、過ちを犯していると思います。「男性医師がいる」「女性医師がいる」という2つの項目があった方が、正しい情報提供のあり方でしょうし、男女共同参画社会の理念にも合致していると考えます。不妊症を専門とする多くの男性医師は、このような「逆風」下で日夜専門性に磨きをかけているでしょうし、不妊症を専門とする多くの女性医師もまた、男性因子がクローズアップされてくる中、普段は接することのほとんど無い患者様の男性パートナーに対して、あたたかい配慮ができるよう、磨きをかけていることでしょう。以上のことを前提として、複数の医師を受診するか、同じ女性医師あるいは男性医師にかかるかは、受診する医療機関の体制や考え方をお聞きになられて、決めていかれればよいと思います。 |
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