Q&A 2025.12.2
26歳、女性。2024年8月にチョコレート嚢胞破裂で入院、2025年4月にチョコレート嚢胞の手術を終え現在不妊治療中、人工授精4回を終えてステップアップ検討中です。術後、月経に関係なく下腹部の激痛や下痢、内診時の痛みに悩まされ、術後の癒着と腸管子宮内膜症の疑いを告げられました。妊娠希望のためジェノゲストなどは飲めず、妊娠するしかないとの事ですがレトロゾールを飲むだけで4つ程卵胞が育ってしまったり、すぐに卵巣が腫れ、腹水も貯まりやすい体質で、体外受精へのステップアップが怖いです。そしてなかなか妊娠しないため、毎月腹痛や下痢にひたすら耐えている状態で、滅入ってしまいました。癒着剥離などの手術をしても、術後の癒着の恐れがまたあるのでしょうか。この場合早めに妊娠することしか選択肢はないのでしょうか。
ご相談ありがとうございます。
現在、子宮内膜症の治療は不妊治療と並行できるものがないため、詳細な経過は不明ではありますが、早めに体外受精へのステップアップを検討してもよい状況かと思います。子宮内膜症取り扱い規約では、EFI(Endometriosis Fertility Index)というスコアを用いて術後の妊娠予後を評価し、体外受精へ切り替える際の判断材料として有用であるとされています。体外受精へ進む場合も、卵巣刺激方法を工夫することで、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を予防しつつ、安全に治療を進めることが可能です。
一方で、手術には新たな癒着が生じる可能性が一定程度あることも知られています。特に子宮内膜症では癒着が起こりやすいため、再手術の適応は慎重に検討する必要があります。
今一度、担当の先生と現在の症状や今後の治療方針についてご相談いただくとよいかと思います。