Q&A 2025.1.1
31歳女性。第一子を40週で出産後、中期流産を3回起こしています。感染や頸管無力症が原因かもしれないとも言われました。自分では抗リン脂質抗体ではないかと思い色々調べています(一部改変)。
ご相談ありがとうございます。回答が遅くなり申し訳ございません。ご質問を多くいただいておりますので、以下に転記させていただきます(一部改変)。
抗リン脂質抗体症候群では
・感染による中期流産の原因になるとのネット記事を読みました。低容量アスピリンの内服やヘパリン投与で感染を防ぐことはできるのでしょうか。
・子宮内胎児死亡や胎児発育遅延の原因になると知りました。私は出産直前まで胎児は順調に育っており、発育遅延の指摘もありませんでした。その場合は抗リン脂質抗体の可能性は低いでしょうか。
・胎盤を病理検査に出せば血栓の有無はわかるのでしょうか。胎盤内で血栓形成→出血→感染→破水・陣痛といった流れになるとの記事をみました。その場合は細菌性膣炎などの症状は起こらないのでしょうか。3回目の流産は、流産1ヶ月前から細菌性膣炎の指摘があり治療中でした。子宮内感染であれば膣炎にならずとも破水や陣痛が起こるといった理解でよいでしょうか。
→まずは、不育症・習慣性流産の原因検索として、血液検査で抗リン脂質抗体症候群のスクリーニングを受けられることをお勧めします。抗リン脂質抗体症候群は、臨床基準(血栓症や妊娠合併症の既往)と検査基準(抗体が12週以上空けて2回以上陽性となること)からなる診断基準をそれぞれ満たすことで診断されます。不育症・習慣性流産の原因の中で、唯一予防策(低用量アスピリンやヘパリン投与)のある疾患のため、検査について一度担当医にご相談されてはいかがでしょうか。他にも、子宮形態異常や甲状腺機能の検査なども推奨されます。子宮内感染も流産の原因となりますが、その原因が特定できないことも多いです。胎盤病理検査で血栓の有無を調べることは出来ます。愛知県内には、「不育症研究センター」を設けている高次専門施設もあります。一度専門施設に受診されるのも選択肢と考えます。また、当センターは医師やカウンセラーによる電話相談も行っております。宜しければご活用ください。