Q&A 2023.11.21
28歳女性、不育症についての相談。 今年の6月、9月と自然妊娠しましたが2回とも流産。2回とも妊娠5~6週程の大きさまでしか胎嚢が育たず、心拍は確認できず流産となりました。主治医には流産の原因は胎児側の染色体異常の可能性が高いと思うが、他に原因があるかもしれないので、出来る限りの検査をしようと言われ、血液検査を実施し結果待ちです。超音波では子宮も問題ないと言われています。このまま現在の産婦人科の受診でいいのか不妊治療も行っているような産婦人科を受診していったほうがいいのか悩んでいます。不育症専門の病院は少なく遠いためなかなか通うことができません。ただ不妊治療を行なっている病院の方が不育症への治療も色々受けながら妊娠が継続できるよう支援して下さるのでしょうか。ご意見いただければと思います。(一部文章を改変)
辛い経験をされましたね。不育症の原因として最も多いのは、胎児の染色体異常です。不育症の検査として胎児の染色体異常を調べる「流産絨毛染色体検査」が2022年4月から保険適用となりました。これにより、今まで原因不明とされていた不育症の原因の一部が分かるようになりました。メリットとしては流産の原因がわかる可能性があること、デメリットとしては胎児の染色体異常が分かったとしても、次の妊娠で確実に出産できるように治療する方法がないことです。血液検査を含め不育症の検査は、自身が納得できる説明を得られるための検査と捉えると良いでしょう。
そして妊娠に関する悲しみや不安に対しての心理支援もとても大切です。当センターのカウンセリングもぜひご利用ください。
不育症外来が近くにない場合には、産婦人科医、その中でも生殖医療専門医は不育症についても専門医知識を有していますので、担当医と相談いただき、該当専門施設へ受診されても良いでしょう。もし血液検査で何か介入できるような原因がわかった場合、現在通院中の施設で対応できるかどうかご確認いただき、状況に応じて高次施設への転院が必要と思われます。